経営マネジメントのはじめの3ステップと成長のための3ポイント
「会社のあるべき姿」とは、「一人ひとりの成長が会社の成長に繋がり、会社の成長が社会の発展に確かに貢献していると実感できる会社」です。
その実現に向かう経営者や管理職に必要な視点や実践を解説した記事をまとめました。
■ 経営の方針管理策定では次の3つのステップが欠かせません。
- ビジョンをつくる
- 戦略・方針・計画をつくる
- 管理する
■ 組織が一丸となって実践に取り組むには、適切なマネジメントが必要です。
- Pull Systemをベースにすること
- 仕事の開始前の準備
- 異質を取り入れ多様性を活かすこと
経営マネジメントのはじめの3ステップと組織を成長させるマネジメントの3ポイントを確認しましょう。
<目次>
経営・マネジメントとは?はじまりに不可欠な3ステップ
【ステップ1】ビジョンづくり
【ステップ2】戦略・方針・計画
【ステップ3】管理する
マネジメント力向上を図る!リーダーが意識する3つのポイント
【ポイント1】経営・マネジメントは「Pull System」で行う
【ポイント2】マネジメント力向上:管理職の役割と責任
【ポイント3】組織力向上:「多様性」を活かすマネジメント
経営・マネジメントとは?はじまりに不可欠な3ステップ
自然界では、存在するすべての生物や植物の調和が必然的に取られています。
人智を超えた力であるサムシンググレイトの存在によるものとも言われます。
企業経営には、この必然的存在がありません。
人為的に役割を決め、人為的に会社全体の調和を創り出し、企業としての成果や社会に対する貢献につなげ、企業の継続を図っていく必要があります。
つまり、方針管理が必要ということです。
方針管理の実践で主要となるのが次の3つのステップとなります。
【ステップ1】ビジョンづくり
【ステップ2】戦略・方針・計画
【ステップ3】管理する
では、一つ一つを確認しましょう。
それぞれについて詳しく解説している各記事もご参照ください。
【ステップ1】ビジョンづくり
企業の方針管理の最上位である理念の次にあるのが「ビジョン」です。
ビジョンとは、策定するその時代を投影しつつ、数年~10年後くらい先までの具体的な「あるべき姿」です。経営者の「想い」を「見える化」するもので、すべての人が一丸となって活動を継続し成長・発展するために欠かせないものでもあります。
ビジョンの策定は経営者としての大きな仕事のひとつ。
変えられないものを受け入れる「忍耐」と変えるべきものを変える「勇気」が必要です。そして、目の前のものがどちらなのかを見極める「知恵」を行使する企業だけが、ステークホルダーや社会に受け入れられ、永く存在していけるのです。
理念にある「DNA」の再確認、「環境分析」と「強み分析」をヒントにして正しい「あるべき姿」としてのビジョンを描いていきましょう。時間と空間に対して「複眼的な視野」を持つことで、地球規模のステークホルダーたちが満足するビジョンが見えてきます。
経営者にとって、企業のゴーイングコンサーンがすべての前提です。
広い視野を持って物事の本質を見抜き、常に絶対的価値を追求していきましょう。
社外の英知を活用する際にも「外注は自分の鏡だ」と捉え、明確な軸を持って準備することが大切です。
お客様や従業員をはじめとするさまざまなステークホルダーを惹きつけ、動かすビジョンを掲げましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【ステップ2】戦略・方針・計画
経営者の「想い」を反映したビジョンを策定したら、方針や計画に落とし込みます。
つまり、細分化や数値化して、より具体的にすることで行動しやすくするのです。
あるべき姿を実現する方法や手段については、選択の連続となります。
「あるべき姿」を基にして、周りを巻き込む戦略的思考で適切な選択をします。
仕事の成果の7割は「設計」で決まるといわれます。
「仮説を立てて、実験し、理論で証明する」という科学的アプローチで入念に進めましょう。
経営者・管理職は、従業員に動いてもらわなければなりません。
適切に動いてもらうための伝え方にも配慮が必要です。
思い込みを排除し、「Before」と「After」を対比させて「改善」や「改革」のあり方を伝えることが大切です。
また、経営管理における目標設定では、希望目標を目指して企業と人の可能性を広げていきます。社員ごとの業務レベルでも目標設定が必要ですが、この業務計画は貴重なOJT、つまり人材育成としても有効となります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【ステップ3】管理する
管理とは、正常を定義し、異常を正常に戻す仕事です。
管理は、「PDCAサイクルを回すこと」とも言えるでしょう。
5Sの本質を組織に浸透させることも、異常を正常に戻すマネジメントになり得ます。
Plan(計画) :理念>ビジョン>戦略・方針・計画
Do(実行) :計画に沿ってきちんと実行
Check(結果の確認) :どのような「結果」になったかを確認
Action(処置・改善) :次のサイクルをより良くするための処置・改善
これは、「ビジョン」と「一人ひとりの仕事」を結び付ける仕組みでもあります。
このPDCAを繰り返し、少しずつスパイラルアップさせて、企業も人も成長を遂げていくのです。
管理者の前さばき力が高いと、PDCAもうまく回っていきます。
「仕事に対する思想」「目標達成への情熱」「戦略形成能力・企画能力・調整能力」という3つの能力を意識して高めていきましょう。
組織構成は、常にゼロベースで見直し、最適な状態に保ちましょう。
組織を動かす際には、「データ」「情報」「場」を駆使して意思決定を行います。
未来志向に偏りがちな昨今、今の礎(今のオペレーション)を抜かりなく築くことで未来の可能性につなげていくことが大切です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
マネジメント力向上を図る!リーダーが意識する3つのポイント
経営者や管理職がリーダーとしてマネジメント力を上げることも、組織や人の成長のためには必要なことです。
マネジメントを実践していく際の、経営者や管理職の役割や責任を確認しましょう。
組織力、従業員の能力、ひいてはリーダーのマネジメント力の向上にもつながる意識していきたい3つのポイントをご紹介します。
経営・マネジメントは「Pull System」で行う
経営から各業務まで、すべての仕事は「Pull System」で進めましょう。
「Pull System」とは、「後工程が必要な原材料や情報を必要な時に前工程に取りにいく=Pullする」やり方のことです。後工程の最終地点がお客様となります。
つまり、「お客様第一で考える」「市場が求めるものに合わせる」システムです。
「ムラ」「ムリ」「ムダ」の根源であるムラを抑えることにも有効です。
事実をしっかり見る風土が築ければ、リスペクトしあえる強靭な組織となります。
仕事は、熟考しながら進め、与えられた環境を把握し、改善対象を見極めることが大切です。
変化を生み出す必要性を感じるとき、常にまずは、自らが動くことを実践し、変わることに努めましょう。
前のめりのときは一歩引き、他力の存在を認識することが大事です。
伝達において、相手に伝わったかどうかは伝える側の責任であると考えます。
これらはすべて「Pull System」にある基本的な考え方。
「Pull System」をベースにしたマネジメントによって、組織力も人の能力も高めることができるのです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
マネジメント力向上:管理職の役割と責任
経営者や管理職が、仕事やプロジェクトの開始前に徹底したいことがあります。
すべては、「経営層や管理職」と「現場」の認識を一致させる ことにつながります。
仕事に関わる全員の「認識の一致」がないと、一丸となって仕事に取り組むことは不可能なのです。遂行時のマネジメント以前の前提となる、経営者や管理職が果たすべき役割であり、大きな責任のあるフェーズです。
項目は5つです。
- 権限と責任はセットで与えること
経営者に権限と責任があるように、管理職や従業員にも権限と責任が必要です。組織活性化の要素にもなります。 - 事前にベクトルを合わせ、目的の共有を徹底すること
「ベクトル合わせ」と「目的共有」の如何が、従業員の意識と行動を左右します。 - 言葉の定義を明確にすること
情報の伝達や共有を的確に行うためのスタート地点となります。管理者には、細心の注意と巧みな工夫が必要でしょう。 - 仕事は適切に内外区分すること
仕事を完了するためには、社内/社外の英知を結集する必要もでてきます。適切な内外区分を決定し進めることが大切です。 - 会社にとっての「正」の定義を醸成しておくこと
考えも意見も、背景も異なる人たちを同じ方向へ向かわせるには先導旗が必要です。その軸は、会社にとって何が正しいかの定義で示すことができます。
これらが組織や部署のマネジメントの進行と成果を左右していくことになります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
組織力向上:「多様性」を活かすマネジメント
仕事の高度化、多様化、複雑化、変化スピードの加速に適応しなければならない現代。
仕事は、複数の人で進めていくものですが、同質の人が集まるとき、
「1+1+1=3」とは言えず、力は「1」に留まりがちです。
能力や価値観が同質であれば、意見やアイデアも同じようなものになるからです。
企業の中に異質を取り入れて多様化し、柔軟性を高めることが必須の時代になっています。
異なる意見、異なる考えやアイデアの存在が、リーダーの意思決定の質を上げます。
従業員一人一人の可能性を拡大し、組織の力も高まっていくのです。
この先は、組織の多様性をどれだけ有効活用できるかが勝負なのかもしれません。
従業員一人一人に隠れた個性や能力を、どのように引き出し、効果的に融合させる機会を創出できるかもマネジメント手腕の問われるところとなるでしょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。