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ティール組織と今までの組織と何が違うのか~組織力を高めるポイントと仕組み

組織モデル

組織のあり方と形を見直すヒントは進化型組織=ティール組織にある

従来型の組織では今の経営環境を乗り切るのは難しくなってきました。
マーケットや競争環境、社員の意識変化に対して従来型の組織形態では対応できないのです。
自主性と連携が融合したティール組織がこの課題を解決すると考えられます。
ティール組織と今までの組織と何が違うのか、組織力を高めるポイントと仕組みについて解説します。

 <目次>
これからの組織に求められるものとは
組織モデルの進化とこれからの組織モデル
ティール組織とは
ティール組織を機能させるのがPull System

これからの組織に求められるものとは

これからの企業組織を考える上で、重要なことは、まず「何のための組織か?」という、根本的な問いから発想することではないでしょうか?
なぜなら、グローバルな競争の激化・AI等の新しい技術の進展・少子高齢化・社員の多国籍化や価値観の多様化・地球環境問題への配慮等、これまでにない大きな変化の波が押し寄せ、前例を踏襲する思考は答えになりにくいからです。

これからの組織に必要なことは次の3つと考えられます。
①その会社の「存在価値・使命を実現する」ことを目的とすること。
売上や利益は、あくまで存在価値・使命実現がどれだけできたかのメルクマールと位置付ける。

②一人ひとりの成長が会社の成長に繋がり、会社の成長が確かに社会の発展に貢献していると実感でいることを「会社のあるべき姿」とし、それを具現化する組織とすること。

③永続的に存続するための組織とすること。
キーワードはゴーイングコンサーン・フレキシブル・サステイナブル・エコシステム。

これら3つを組み込んだ組織の在り方・形とはどのようなものでしょうか。
 

組織モデルの進化とこれからの組織モデル

これからの組織をイメージするためには、最初に、これまでの組織について整理しましょう。

組織の形は、その時代に求められるマネジメントモデルに合わせて変化し進化してきました。
では、今の時代に求めにられる組織の在り方、形はどのようなものでしょうか。
これまで見られた組織形態を5つ分類し、変化と進化の方向を見てみましょう。

①衝動型:圧倒的な力を持つトップが支配する組織。目の前の利益を得られるか?を重視。

②順応型:軍隊的なヒエラルキー組織。規律を重視した計画的な思考と組織拡大が可能に。

③達成型:分権・柔軟性を伴う達成型組織。合理性・結果を重視し、パフォーマンス向上を目指す。

④多元型:ボトムアップ型の組織。成果よりも人間関係を重視。

⑤進化型:進化する組織。個々に意思決定権があり、ビジョンや事業などは社員の意思を重視し変化させる。また組織の存在目的に合わせ進化し続ける。

組織がどのように変化し進化してきたのかは、「人体」の組織構造に置き換えて見てみるとわかりやすいです。
多くの人は、脳が人体の中心にあり、体を掌握し管理していると思っています。
しかし、最近の研究では、体の中で、あらゆる臓器や細胞が、まるでにぎやかに会話をするように、ダイナミックな情報交換を繰り広げていることがわかってきました。
人体という名の「巨大な情報ネットワーク」があり、体内で交わされている臓器たちの熱い会話が命と健康を支えているのです。

人体の組織構造は、個々の臓器や細胞間のコミュニケーション・ネットワークによる相互作用であること、そして組織の目的は、生命維持・健康維持そして進化し続けることにあるということです。

これは、「⑤進化型:進化する組織。個々に意思決定権があり、ビジョンや事業などは社員の意思を重視し変化させる。また組織の存在目的に合わせ進化し続ける。」に酷似しています。(正しくは、「⑤進化型」の組織構造が「人体」の組織構造に似ている)

つまり、長い歴史の中で、企業組織のあり方は人々の試行錯誤を通じて、徐々に人体の様な摂理に基づいて出来上がった組織構造に向かって進化しているということです。

これは驚くべきことであり、また当然のことでもあると思います。
それは、人体組織でも経営組織でも「上手く機能する」ための共通の法則が存在するということを示していると考えるからです。
 

ティール組織とは

これからの組織のモデルは、相互に連携する進化型と言えます。
この組織モデルとして、今、注目を集めているのがティール組織です。
ティール組織とはどのようなものかみていきましょう。

ティール組織とは、いま世界中で生まれ始めている新しい組織モデルのことです。
これまでの人類の組織形態は、力と恐怖によって支配する「衝動型」から始まり、軍隊の様に規則・規律・規
範によって階層構造を作る「順応型」、多国籍企業をはじめ現代の多くが採用する「達成型」、多様性と平等と文化を重視するコミュニティ型組織の「多元型」と段階を踏んで発達して来ました。
そして、いま生まれつつあるのが「進化型=ティール」なのです。

ティール組織は、細かな部分では多様なのですが、次の共通点があります。
①自主経営(セルフ・マネジメント・・・階層やコンセンサスに頼ることなく、同僚との関係性のなかで働くシステム。

②全体性(ホールネス)・・・誰もが本来の自分で職場に来ることができ、同僚・組織・社会との一体感をもてる様な風土や慣習がある。

③存在目的(エボリューショナリー・パーパス)・・・組織全体が何のために存在し、将来どの方向に向かうかを常に追求しつづける姿勢を持つ。

世の中には「ティール組織」と似て非なる組織があります。経営層やリーダーは「階層はないし、自主経営している!」と言っても、社員は全くそう思っていない組織です。

結局どの組織でも、コミュニケーションが得意な上層部は、セルフ・マネジメントできるのです。
問題は、内向的でコミュニケーションがさほど得意でない社員も含めて、あらゆる社員が全体感を感じ、組織の存在目的を意識して、自主経営できるにはどうしたらよいかです。

ティール組織が根本的な部分で最も素晴らしいのは、「お客様や社会のために100%のエネルギーを注げる」という点です。
ティール組織なら、誰もが仕事の目的や使命、全体感や組織目的を見失うことなく働けることです。

アドバイス・プロセス(助言プロセス)つまり、ある意思決定をする前に、その意思決定によって影響を受ける全社員と、その問題の専門家にアドバイスを求めなければならない仕組みです。
そのアドバイスを真剣に考慮しなければなりませんが、最終的な意思決定は自分が行ってかまいません。

ティール組織をつくるのに自主研は役立ちます。
自主研によって、自主経営を担う人材と組織づくりができます。
自主研については下記の記事をご覧ください。


 

ティール組織を機能させるのがPull System

組織を機能させる仕組みには、Push型とPull型があります。
Push型は上から下への指示命令型とも言えます。
Pull型は相互に必要とするものが自由に連携しあう形と言えます。
組織の色々な仕組みをPull化すると上手くいくのです。

そもそも、「Push System」は、必要な原材料や情報を前工程が後工程に向けて、あたかもポンプ
で押し込むようにどんどん供給していく(Pushしていく)やり方です。

一方「Pull System」は、「後工程が必要な原材料や情報を必要なときに前工程に取りに行く(Pullする)やり方です。
Pull Systemは真のお客様視点での仕事に繋がり易い言えます。

冒頭にも述べました通り、「存在価値や使命の実現」が会社の目的です。
しかし会社全体がその目的のために機能し続けることは容易ではありません。
いつの間にか、「会社が存在すること自体が目的化」してしまい易いのです。
所謂「手段が目的化する」ことです。
それを経営者・管理者は認識し経営にあたらなければなりません。
そのためには、「お客様からの発想」「お客様に接している現場からの発想」「必要なものを必要なときに提供する仕組みの開発」「CS=ESと考えること」「人づくりの重要性を理解する」等が重要です。

進化型組織のティール組織が相互に連携するには、共通の目的である「顧客価値の創造」を基点としたPull Systemの仕組みが不可欠です。

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