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  1. 人材育成

思考力を高めて仕事力を高める3つのポイントと4つのスキル

考える力の育成:リーダーが持つべき考え方と素直な心のイメージ写真です。

思考力を高めて仕事のできる自分をつくる

人生も仕事も「考え方=思考力」で結果が決まります。
「良い考え方」を持ち、目標を掲げ、熱意と能力を掛け合わせて仕事をやり切ることが大切です。
きっと、良い人生や仕事の結果につながっていきます。

自分の得意分野を活かし、今と未来において、
自分以外の人や社会の役に立つという使命感を持って、役割を果たしていきましょう。

組織を動かすことにも、部下の可能性を広げるためにも、
リーダーは「素直な心」を持ち続けていかなくてはなりません。

新たな価値を生み出すための、自分と部下・組織の「考える力=思考力」を高める必要があります。
思考力や考え方の育成に対峙するリーダーとしての姿勢と高める方法・ポイントを説明します。

<目次>
人生や仕事の結果は「考え方=思考力」で決まる
得意分野×今と未来に役立つ使命感を持つ
・実業とは?
・実業の3つのポイント
素直な心構えが可能性を広げる
・事実をあるがままに捉える
・素直な心を持つ
仕事における思考力を高めることに役立つスキルとは?
・リベラル・アーツを身に付ける
・やり切る、積み上げる
・チャレンジする
・考える力の価値

人生や仕事の結果は「考え方=思考力」で決まる

企業が成長・発展の方向へ進むかどうか
個人が幸福になれるかどうか
すべて一人ひとりの「考え方」によって決まるものではないでしょうか。

「考え方、あり方、成し方」が大切です。
「どうあるべきか=Be」というあり方、「何をすべきか=Do」という成し方。
「Be」も「Do」も大切な要素となりますが、まずは「考え方」です。
「なぜそうなりたいのか?」「なぜそうするのか?」を考えなくては成立しません。

京セラの創業者である稲盛和夫氏は、著書『心を高める、経営を伸ばす』の中で、

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」という法則

を書かれています。
これは、熱意と能力に考え方を掛け合わせた結果が、人生であり、仕事であることを意味します。

「能力とは、頭脳のみならず健康や運動神経も含みますが、多分に先天的なものです。
しかし、熱意は、自分の意志で決められます。この能力と熱意はそれぞれ0点から100点まであり、それが積でかかると考えると、自分の能力を鼻にかけ、努力を怠った人よりも、自分には頭抜けた能力がないと思って誰よりも情熱を燃やして努力した人の方が、はるかに素晴らしい結果を残すことができるのです」

「考え方とは、人間としての生きる姿勢であり、マイナス100点からプラス100点まであります。つまり、世をすね、世を恨み、まともな生き様を否定するような生き方をすれば、マイナスがかかり、人生や仕事の結果は、能力があればあるだけ、熱意が強ければ強いだけ、大きなマイナスとなります」

「素晴らしい考え方、つまり人生哲学を持つか持たないかで、人生は大きく変わってくるのです」

考え方に関してだけ「マイナス100点からプラス100点」まであるということは、「良い考え方」と「悪い考え方」の両方があるということです。人の心は果てしなく広く大きく、限りなく広々とした「広大無辺」なものです。ですから、良い方向へ進もうと考えて行動すればどこまでも高まりますが、悪いことを考えて行動すればどこまでも下がってしまいます。ですから人生も仕事も、最初にしなければならないのは「良い考え方を持つこと」なのです。

能力と熱意は、「0点から100点」、つまりマイナスになることはありません。
考え方は、「悪い考え方」も存在するため、「マイナス100点からプラス100点」
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」は、掛け算ですから、
考え方がマイナスのとき、プラスの結果を出すことができないということです。

ですから、まずは、「良い考え方」を持つことが大切です。
よく考えて、大きな目標を描き、熱意を持って目の前の仕事をやり切るように心がけましょう。
それによって、人生や仕事の結果が大きく変わるはずです。

得意分野×今と未来に役立つ使命感を持つ

人が「価値創造の主体」として、新たな価値を創造しようとするとき、皆が同じような仕事に就き、同じような結果を残す必要はありません。
人にはそれぞれの能力があり、それぞれの役割があります。

植物の世界にたとえると、美しい花として咲き誇る人もいれば、根として養分を集める土台となる人もいていいのです。
根は花になることはできませんし、その逆もまた然りの現実もあります。
それぞれの役割の中で幸福を求めれば良いのです。

全員が花を目指す必要はなく、それぞれの得意分野を活かして幸福を追求しましょう。
大切なのは「自分以外の人や社会の役に立つ」ことと、「自分が死んだ後も役立つ」ことです。

実業とは?

実業と対極に、虚業というものがあります。
単純に「堅実かどうか」あるいは「楽かどうか」という視点で実業と虚業を区別することはできません。

実業とは、「その仕事の目的が人々の幸福の実現をサポートする仕事」です。
虚業は、「自分の幸福(金儲け)のために、自分以外の人々の幸福を奪ってしまう仕事」です。
一人ひとりが「実業」に携わることを目指していきたいものです。

実業の3つのポイント

実業に携わり、仕事の成果を上げるためには、3つのポイントがあります。

1つ目のポイントが、「自分の特性を活かし切る」ということです。

人は誰でも、それぞれ限られた時間の中を生きています。
ですから、その限られた時間をできるだけ楽しく、有効に使いましょう。

楽しく、有意義に生きるためには、不得意なことや嫌なことで時間をムダにしてはもったいないです。
やりたいことや得意なことによって、人生という限られた時間を楽しく有意義に過ごしていきましょう。

2つ目のポイントは、「仕事を通して、自分以外の人や社会の役に立つ」ということです。

自分さえ良ければ他の人はどうなっても良いというのでは「虚業」になってしまいます。
一緒に仕事をした人に喜んでもらえたり、社会の役に立ったりすることで、人は実りある人生を送ることができます。それこそが「実業」なのです。

3つ目のポイントは、「自分が死んだ後も役立つ行いを心がける」ということです。

自分という存在がなくなったその後も、地球は残り、子孫は生き続けます。
自分が生きている間のことだけを考えるのではなく、その後の人間や地球のことを考えて、今を生きることを意識しましょう。

未来のことは誰にもわかりませんが、今の自分たちの行いが未来をつくっている自覚を持ちましょう。
これは、良い未来にも、悪い未来にもあてはまるものです。
ですから、より良い未来をつくるという使命感を持って、行動していくことが大切です。
この使命感を持って、次の世代へと受け継がれる結果を残していきましょう。

素直な心構えが可能性を広げる

仕事に限らず、私たちは生きている間にさまざまなことを経験します。
経験したことは記憶に残ります。
同じような状況があれば、過去の記憶や経験を基にして、ベストと考えることを選択するでしょう。
「失敗した」という経験と記憶があれば、「二度と同じ失敗をしないようにしよう」と考えるものです。
これは人間の学習能力であり、いわば防衛本能とも言えます。

事実をあるがままに捉える

過去の記憶や経験を活かすことは、確かに必要な能力です。
しかし、仕事では経験や過去、先入観に囚われないほうが、より可能性は広げられます。

なぜなら、物事は全て変化し続けているものであり、
前に経験した時と似たような状況であったとしても、前と同じ結果になるとは限らないからです。

もしかすると今なら、今までの慣習や経験からは考えられないような解決方法があるかもしれません。
そのような解決方法と出会うためにも、目の前にあるものをあるがままに捉えて、できるだけ先入観を排除するように心がけましょう。

素直な心を持つ

先入観を排除することの実践は、実はなかなか難しいものです。
「柔よく剛を制す」という諺にもあるように、
仕事に臨む時には、柔軟でフレキシブルな思考や言動を心がけていきましょう。
フレキシブルになるためには、「素直な心」が必要です。

パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、

「素直な心」のことを、「寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心、また、静にして動、動にして静の働きのある心、真理に通ずる心」

と定義されています。
つまり、人間が最も好ましい生き方を実現していくためには、根底に「素直な心」がなくてはならないということです。

とくに、人の上に立ち、人を導く役職や役割を持つ人こそ、「素直な心」が大切です。

「我を捨てる」ことと近いかもしれません。先入観や執着を捨てるということです。
「我を捨てる」ことができて「素直な心」を持てば、自ずと広い視点から目の前のことを捉えることができます。

人を指導する立場のリーダーが、素直な心と視点を持つことは、その下で働く部下たちの可能性をグッと広げることにつながっていくでしょう。

仕事における思考力を高めることに役立つスキルとは?

人が「価値創造の主体」となるためには、一人ひとりが自分の仕事において、新たな価値を生み出さなければなりません。
そのためには、「考える」ということが大切になってきます。

文部科学省が公表している「新学習指導要領・生きる力」には、「子どもたちの現状をふまえ、『生きる力』を育むという理念のもと、知識や技能の習得と共に思考力・判断力・表現力などの育成を重視しています」と定められています。

文部科学省も、子どもたちへの教育において「思考力」「判断力」「表現力」を高めることが重要だと考えているのです。

その中でも「思考力」、つまり、「考える力」が最も重要となるでしょう。
「考える力」を高めるためには、
「リベラル・アーツを身に付ける」「やり切る・積み上げる」「チャレンジする」ことが大切
です。

リベラル・アーツを身に付ける

「リベラル・アーツ」とは、より良い人生を生きるための知識、一般教養のことです。
普段の生活の中で、できるだけ哲学、宗教、物理、地理、歴史など幅広い分野の知識を積み上げることで身に付いていくものです。

必要な情報はインターネットを通じていつでも検索できる時代になっています。
それらを有効活用するには、「何を探せば良いのか」という根本的な理解も必要。
幅広い分野の知識と教養が、「何を探せば良いのか」のヒントになるはずです。

やり切る、積み上げる

「やり切る、積み上げる」とは、
人生を流れるものと考えず、一つひとつ丁寧に積み上げる「ストック」だと考える
ということです。
たとえば、転職したいと思ったら、まずは自分が今の会社でできることをやり切ったかどうかを真剣に考えるべきでしょう。きちんとやり切ることなく途中で諦めてしまうえば、何もストックされません。

一つひとつの仕事をやり切るプロセス上で、「考える力」も高まっていくのです。

チャレンジする

「チャレンジする」は、たとえば、海外へ出かけてみる、山に登ってみる、やったことのないスポーツをやってみる、というようなことです。

引きこもって頭ばかり使うのではなく、自分の身体を使って、より多くのことを体験しましょう。
一つひとつの経験が、視野を広げ、より深く、広く考えることの助けになるはずです。

考える力の価値

「リベラル・アーツを身に付ける」
「やり切る・積み上げる」
「チャレンジする」

この3つを実践することで、一人ひとりの「考える力」が高まります。
さらに、それぞれが考えたアイデアを出し合うことで、大きな改善も進めることができるのです。

しかし、「考える力」とは、改善だけに必要というわけではありません。
むしろ、仕事をすることそのものが「考える」ことだといっても過言ではないでしょう。

なぜなら、日々仕事をしていく中で、課題が会社から与えられるわけではないからです。
自分で自分のあるべき姿を考え、どうすれば現状との間にあるギャップを埋められるかを「考えて」実践していかなければならないのです。

そうやって一人ひとりの「考える力」が高まれば、企業は自ずと成長・発展へと向かっていくはずです。

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