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  1. 人材育成

「自主研活動」が「考える力」を育て、「考える力」が「自主研活動」を育てる

自主研活動”が“考える力”を育て、“考える力”が“自主研活動”を育てるの写真イメージです。

~人は適正な“場”が与えられれば“可能性”を具現化する!~

“自主研活動”についてはこれ迄、当サイト「研修ソーシング」で何度か取り上げ、多くの皆様にお読み頂きました。有難うございます。
“自主研活動”について、もう少し知りたいとのご要望もあり、本日は“自主研活動”と“考える力”の相互関係について述べたいと思います。

<目次>
自主研活動の目的は“一人ひとりの成長”と“職場能力の向上”にある。
“考える力”は、“適正な場”によって鍛えられる。
“目に見えないモノ”に着目して“会社の屋台骨”を考える。
“戦略の現場化”と“現場の戦略化”が重要な2本の会社の“神経系統”である。
“自主研活動”を“業務請負プロジェクト”化してはならない。

“自主研活動”の目的は“一人ひとりの成長”と“職場能力の向上”にある。

“自主研活動”は、「部門長が中心となり、部門内の原則全員が自ら主体となって、仕事の改善を通じてメンバー・職場を成長させ、顧客視点の改善を実践すること」です。

また、“自主研活動”は「“方針管理”の結果展開された“年度計画(会社・部門)”を達成する上で、その組織(チーム)の役割・計画を前提として、担当業務を遂行しながら如何に①個人能力の向上を実現するか②組織(チーム)の力を向上するか」が狙いです。

何故“一人ひとりの成長”と“職場能力の向上”が必要か、それは「お客様に価値をお届けするのは“現場”であり、その“現場”は一人ひとりの力の結集であるからです。(サッカーの試合に勝つ為には一人ひとりの能力向上とチームの能力向上が不可欠であるのと全く同じです)

私は、この現場力向上に注力せず、良い商品を開発したのに中々売上向上に結び付かないと悩んでいる経営者に時々出会います。それは「価値をお届けするのは現場である!」ということを心から理解していないことに起因していると感じます。現場が的確に商品の良さを説明できること、商品をどの様に使えばお客様の為になるかをお客様の立場で実践できること、無駄な仕事に忙殺されてお客様とのコミュニケーションの時間が取れない等の状況に現場が陥らないこと等が大変重要になります。それを実現する為には、真のお客様視点に立った“改善”を継続的に行ない、“一人ひとりの成長”と“職場能力の向上”を実現する“場”が不可欠になります。その“場”が“自主研活動”なのです。

“考える力”は、“適正な場”によって鍛えられる。

東京大学教授・理論物理学者の上田正仁先生は、著書「考える力の鍛え方」(PHP文庫)の中で、「考える力は鍛えられる!」と明言されています。この“考える力”は、“長く深く考えるがキーワード”とされています。そしてアイデアや発見は“対話のプロセス(対話の場)”から生まれるとされています。

“自主研活動”は、業務改善をテーマとして、一人ひとりが長く深く考える習慣を身に付ける場として最適であり、またメンバー相互の対話の場として機能させることによって新しいアイデアを見出だす最適な場になり得ると考えます。

また“考える力”とは、“問題の本質を見極める力”であり、“創造する力”とは、他の人が意識していない問題を見出し、それを独自の方法で解決に至るまでやり遂げる能力とされています。つまり“自ら考え創造する力”とは、①問題を見つける力 ②解く力 ③諦めない人間力から成り立っており、これらの3つの力は、意識的な努力を積み上げることによって鍛えることができるのです。そして一人ひとりの考える力が鍛えられた上で、職場(チーム)として協働する力=職場能力の向上が図られて初めて“お客様に価値をお届けできる現場”が形成されると考えます。

“目に見えないモノ”に着目して“会社の屋台骨”を考える。

少し話が横道に逸れるかも知れませんが、「会社とは何から成り立っているのか?」を考えてみたいと思います。

経営資源で考えれば、“人・物・金・情報”ということになりますが、ここでは“目に見えないモノ”に焦点を当てて考えたいと思います。会社の命運を握っているのは案外“目に見えないモノ”であるからです。

私が考える第一は、“一人ひとりの考える力”です。これが全ての“基盤”になります。次に挙げたいのは、“会議・ミーティングの力(場の力)”です。会社には色々な会議・ミーティングがありますが、其々の会議・ミーティングにおいて正確なデータを尊重し、本質的な議論がなされ、正しい結論に到達するかどうかで会社の未来は大きく変わります。第三は、“会社の理念の力”です。この理念が会社の背骨となって経営判断がなされますし、会社の風土(社風)を形成することになります。

これらの“目に見えないモノ=目に見えない力”がしっかりしているか否かが即ち“会社の屋台骨”がしっかりしているか否かと同義語であると考えます。

本日のテーマである“自主研活動”は“会議・ミーティングの力(場の力)”の一つですが、兎角上層部の会議(取締役会等)の質のみに目が行きがちです。実は現場にも“会議・ミーティングの力(場の力)”が必要との認識を新たにして、お客様に近い所で“一人ひとりの考える力”や“場の力”を強化することを組織的に行なうことが重要であると考えます。

“戦略の現場化”と“現場の戦略化”が重要な2本の会社の“神経系統”である。

これ迄、私は「“戦略の現場化”と“現場の戦略化”が会社経営にとって重要である!」と述べてきました。“戦略の現場化”とは“方針管理”のことで、会社→各部門→一人ひとりの方針・目標・施策(行動)が切れ目なく展開され(正常が定義され)、異常が発生したら迅速に異常を正常に戻す活動を行うことです。一方“現場の戦略化”とは、“現場の意見(真の顧客視点の施策)を経営戦略・施策に反映すること”です。

“自主研活動”の大切な役割は、この“現場の戦略化”にもあるのです。組織の垣根を飛び越えて経営者が“自主研活動”を巡回することによって、色々なお客様の声・現場の生の声を直接知る大変良い機会になります。また現場と経営の一体感が醸成され、“Respect&Link”の関係を構築する一助になります。“自主研活動”と“方針管理”の二つは、重要な会社の“神経系統”として会社の発展に必ず貢献すると思います。

“自主研活動”を“業務請負プロジェクト化”してはならない。

最後に“自主研活動”が陥り易い罠について触れたいと思います。

結論から言えば、部門長がこの“自主研活動”を“業務請負プロジェクト”として活用してしまうことです。

部門長にとって“自主研活動”は一見業務遂行上の大変便利なツールに見えます。しかし、長い目で見ればそれは間違いです。何故なら“自主研活動メンバーのやらされ感”に繋がり、短期的な活動で終了してしまう可能性があるからです。

“自主研活動”の目的があくまで「“一人ひとりの成長”と“職場能力の向上”にある!」これを部門長・チームメンバーが再確認して進めて頂きたいと思います。そうすることによって初めてこの活動が人材育成そのものであると理解され、やらされ感でない、自主的かつ継続的な活動として会社に定着していきます。

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