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次世代リーダーを育成できるリーダーの心構えとポイント

真の次世代リーダーを育成できる真のリーダーとなるのイメージ写真です。

人材育成に必要な「覚悟」「未来志向」「目配り・心配り」

次世代リーダーの人材育成のためには、自分が育成するという気構えを自分自身が持つことが重要です。そのためには、人材育成を最後まで責任を持つ覚悟で臨み、部下のミスは人材育成のチャンス、未来志向と考え、部下のストレスや不満にも配慮して、リーダーとしての背中を見せて次世代のリーダーを育てることが重要です。リーダーとして人材育成の覚悟と責任、部下のミスや問題に直面したときの対峙法について紹介します。

<目次>
人材育成は、最後まで責任を持つ覚悟で臨む
・仕事上の「最後まで責任を持つ」
・人材育成の「最後まで責任を持つ」
・部下とともに成長する
部下のミスは人材育成のチャンス、未来志向で考える
・未来志向で記憶する・対処する
・ミスやトラブルというチャンスを活かす
・上司として自分を振り返る
・チャンスを奪わない
部下のストレスや不満にも配慮して育成する
・負のエネルギーに対するリスク管理
・気付くための目配り、気配り
リーダーの背中を見て、次世代のリーダーが育つ
・真のリーダーを育てるのは真のリーダー
・経営者に必要なリーダーの見極め

人材育成は、最後まで責任を持つ覚悟で臨む

製造業では、つくったものをきちんと検査し、顧客から求められた基準をクリアしたものだけを納品します。
どのような仕事でも、その成果とプロセスまでをきちんと検査し、求められる基準を用いて精査して提供するべきでしょう。

なぜなら、企業の活動は、無限に続くことを前提として進められるからです。

企業の継続性を高めるために、「やりっ放し」にせず、入念な精査が必要です。
その精査を、成功の再現や失敗の回避に活かさなければならないのです。

仕事上の「最後まで責任を持つ」

製造業では一つひとつの仕事を評価するにあたって3点を数値化して判断し、評価します。
「仮説は正しかったか」
「行動は正しかったか」
「その結果として成果が予定通りでたか」

これは、経営やマネジメントの仕事についての客観的な判断に置き換えられます。
「あるべき姿に到達できたか」
「課題に対する施策立案ができたか」
「各々の施策が実行できたか」

これらの判断をするためには、きちんとした「検査基準」を設けなくてはなりません。
明確な基準を持つということで、結果や成果を数値化することができ、
誰が見ても理解できる検証につながる
のです。

これが「最後まで責任を持つ」ということです。

人材育成の「最後まで責任を持つ」

「最後まで責任を持つ」という考え方は、人材育成にもあてはまります。
上司が部下を育成することについても、やはり「最後まで責任を持つ」ことが大切なのです。

避けるべきは、部下を甘やかすことです。
甘やかしたツケは、甘やかしたリーダー当人ではなく、その会社が支払うことになるからです。

部下を育成する上での「甘やかす」とは、見て見ぬふりをすることです。
自分の部下でいる間だけ、問題を起こさず、ケンカもせず終われば良いではいけません。

決して見て見ぬふりをすることなく、全身全霊で対峙しましょう。
そういう意味では、子どもを育てる以上に真剣に向き合う必要があるものかもしれません。

部下とともに成長する

限られた時間の中で、自分に教えられる限りの知識や経験、技術を伝えていきましょう。
部下が去ることもあれば、こちらが真剣でも部下が真剣に受け取ってくれないこともあるでしょう。

それでも良いのです。
あなたが持てる限りの情熱で伝えた知識や経験、技術はどこかで活かされるはずです。

人に何かを教えるということは、自分にとっても勉強になります。
教えたいことが部下に伝わらないのであれば、自問自答してください。

なぜ伝わらないのか
どうして理解してくれないのか
自分に非はないだろうか

見て見ぬふりをすることなく、ぶつかることを恐れず、真剣に向き合っていきましょう。
そうすることが、お互いの成長につながるはずです。

部下のミスは人材育成のチャンス、未来志向で考える

世の中には「言うは易く行うは難し」のことが数多く存在します。
「先入観を持たない」というのも難しいことの一つではないでしょうか。
人の脳は「記憶」と「感情」が密接に結び付いているため、この難しさは自然なことかもしれません。

未来志向で記憶する・対処する

先入観を持たないためには、自分の記憶と感情を結び付けないようにしなければなりません。

たとえば、過去に、ある部下が失敗して自分に迷惑をかけていたとしても、
「彼は過去に大きな失敗をして自分に迷惑をかけた人」と記憶するのではなく、
「彼の現在の強み・弱みはこうで、この部分に成長の可能性がある人」と捉えます。
分析的に未来志向で記憶することが大切なのです。

しかし、これもまた「言うは易く行うは難し」です。

「またか!」と思うような結果になっても、その結果だけに囚われないようにしましょう。
結果だけを見てしまうと、感情的になるということも少なくありません。
そんな時には、感情を一晩寝かせて反芻してみてください。

ミスやトラブルは、いつでも発生し得るものです。
管理者は、ただミスをした人を責めるだけで終わるのではなく、
「二度と同じようなミスが起こらない方法や仕組み」について考えるようにしてください。
誰のミスであろうと「今よりもっと良い方法」を見つけ出すチャンス
なのです。

ミスやトラブルというチャンスを活かす

仕事のプロセスを把握できるように「見える化」することもひとつの有効な手段です。
製造ラインなどではカメラなどを使った検査を行うのも有効な「ポカよけ(Fool Proof)」になります。
1回だけではなく、二重三重にチェックを行うのも良いかもしれません。

ミスをした人だけでなく、他のメンバーも集めて「QC活動」を行い、全員から意見を募って改善のアイデアを出し合っても良いでしょう。
このように、ミスをした人を叱責すること以上に、やるべきことはたくさんあるのです。

上司として自分を振り返る

同時に、上司である自分自身に非はないかと見直すことも大切です。

たとえば、「年間・月間業務計画表」を活用し、一つひとつの仕事にしっかりとゲートを設定して進捗状況をチェックしましょう。
結果を出さなければならない期限から逆算して「誰がいつまでに何をやるか」という計画を立てます。
それぞれに対して「何か起こった時にリカバリーできるリードタイム」を設定してチェックします。
そうすることで、「結果」をコントロールできるのです。

チャンスを奪わない

あなた自身も含めて、あなたを取り巻く環境は変化を続けています。
もちろん、部下も例外ではありません。

部下を育てる上で大きな役割を担っている管理者、リーダーは、そのことを肝に銘じ、言動に注意しなければなりません。
部下を育てるためにはたとえ失敗したとしても二度、三度と挑戦させるべきです。

それなのに挑戦する前から「また失敗するなよ!」萎縮させたり、挑戦させずに異動させたりなど、チャンスを奪っては育成になりません。

人材育成にならないというだけでなく、人材育成からの逃げとも取れます。
そのようなあなたに対して、他の部下たちからの信頼や尊敬が失われるかもしれません。

人を育てることには、とても大きな勇気が要ります。
自分を守りたいと考える自分自身との闘いになることもあるでしょう。
それを意識しながら、先入観を持たない勇気を持つよう努力していきましょう。

部下のストレスや不満にも配慮して育成する

企業の業績や成果は、公開される情報から明らかになります。
業績や財務状態が良好なら、誰もがその企業は好調なのだと感じるでしょう。

人間の身体も、健康診断などのデータが正常なら健康に問題なしと太鼓判を押されます。
しかし、実は、そんなに単純なものではありません。

生物は、摂取したものから、生きるために必要なものを生み出して生命を維持しています。
そして、排泄物を出します。
不必要なものがきちんと排泄されないと、生命を維持するエネルギーがつくれないこともあります。

この生物の仕組みは、そのまま企業にも当てはまるようです。

企業では、成果という「正のエネルギー」にばかり着目します。
しかし、「正のエネルギー」があるなら、当然「負のエネルギー」も存在するのです。
光が当たる部分があれば、光の当たらない影の部分もあるのです。

負のエネルギーに対するリスク管理

経営者や管理者も、光の当たる「成果」にばかり着目してしまいがちです。
もちろん、「正のエネルギー」に着目して評価することは大切です。
同時に、「負のエネルギー」が貯まりすぎるリスクを管理しなくてはなりません。

「負のエネルギー」とは、仕事をしていく中で貯まっていくストレスや不満といったものです。
それらが貯まりすぎて爆発してしまう前に対処することが大切なのです。

一人ひとりについて仕事の適性を見直すこと。
長く同じ仕事をしている人はローテーションを考えてみること。
イジメやパワハラ、セクハラなどのハラスメントが起こっていないかを確認すること。

全員がストレスなく働けるような環境づくりを行っていきましょう。
「負のエネルギー」というのは、目に見え難いものです。
しかし、それを放置すれば、企業のコンプライアンスに関わる事態にもなりかねません。

ひとりでも職場にストレスを溜め込んだ人がいるだけで、
チーム全員の働くモチベーションが低下してしまうこともあるのです。

経営者や管理者は、光の当たらない部分にこそ目を配り、心を配るようにしましょう。

気付くための目配り、気配り

一人ひとりの心の中に淀んでいくゴミをキレイにしてあげられるように努力しましょう。
普段からきちんと目を配っていると、気付けることがあるはずです。

「いつもと違うな」
「話し方に元気がないな」
「最近会議中も上の空で良いアイデアが出てこないな」

プライバシーに踏み込み過ぎると嫌がられることもありますが、嫌がられるくらいで良いのかもしれません。
仕事は人間同士でつくっていくものです。
ある程度は相手の領域に踏み込まないと見えないものもあるでしょう。

部下から上司の領域に入ることは気が引けるものですから、上司の方から部下に歩み寄りましょう。
上司が何気ないことを気にかけてくれていたら「そんなところまで見てくれているんだ」
部下は、嬉しい気持ちになるものではないでしょうか。

リーダーの背中を見て、次世代のリーダーが育つ

企業が成長を続けていくためには、新たな目標に向かって会社を引っ張り、
部下たちを引っ張っていくリーダーの存在が不可欠です。
経営者にとって、次世代のリーダーを育成することは、重要な仕事のひとつです。

人は、周りにいる人たちの言動を見て育っていきます。
「子は親の思うようにならず、親のようになる」とは的を射た言葉かもしれません。

親なら誰でも子には期待するもので、自分より優れた人物になってほしいと願います。
しかし多くの場合、子どもは親の期待通りに育つことはなく、いつの間にか親そっくりになるのです。
つまり、親の言動や姿を見て育っているということです。

企業における人材育成でも、基本的には同じことが言えるのではないでしょうか。

真のリーダーを育てるのは真のリーダー

仏教用語に「因果」という言葉がありますが、原因がなければ結果もありません。
会社の中にリーダーがいれば(=原因)その背中を見てリーダーが育つ(=結果)のです。

リーダー(Leader)というのは、”人を導く人”のことです。
人を導くためには、それなりの人生経験・管理経験・経営経験が必要です。
それらがなければ、誰も付いてこないでしょう。

自ら手を挙げて「俺がリーダーだから俺に付いて来い!」という人をリーダーとは呼びません。
部下の方から見て「あの人に付いていきたい」と思える人がリーダーなのです。

人材育成のための研修プログラムも盛んに行われていますが、研修だけでは不十分です。
決して研修プログラムの修了=リーダーになれる、ではないことを認識しておきましょう。

禅の世界では、「師家と修行者との呼吸がぴったり合うこと」を「啐啄(そったく)」といいます。
これはもともと、「卵の中である程度育った雛鳥が内側から殻を割って出ようとするのを、親鳥が外側からつついて助ける」という意味の言葉です。

つまり、今のリーダーと次のリーダーの息がぴったりと合い、
有形無形のリーダーとしての資質を「授ける」ことによって、次のリーダーが生まれるのです。

経営者に必要なリーダーの見極め

経営者がやるべきことは、研修プログラムではありません。

見込みのあるリーダー候補生たちの手本となるリーダーは誰か
そもそもそんな人が社内にいるのかどうか

これらの見極めが肝心です。

社内にリーダーがいなければ、次世代のリーダーは決して現れません。

自分の会社に部下たちが手本とすべきリーダーがいないのであれば、
外部からリーダーに相応しい人を連れてくるのもひとつの手でしょう。
それなりの地位を与え、その人を中心とした組織の中で、次世代のリーダーが育っていきます。
これこそが、常にリーダーが生まれるという、良い循環につながるのです。

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