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“管理職”から“経営者”へと成長するために身に付けるべきこと

見えることを司る管理者”から“見えざることも司る経営者へのイメージ写真です。

“見えることを司る管理職”から“見えざることも司る経営者”へ

日本企業の場合、“管理職”を経験した後に、その一部の優秀な者から“経営者”が選抜されることが多い様に思います。しかしこれからの経営を考えると、そのシステムは大きな問題点を孕んでいるのではないでしょうか?

何故なら“管理職”・“経営者”の役割をしっかり定義し、其々に求められる“能力”を考えると、そこには大きな相違点が見えてきませんか?

だからと言って経営者を全て外部から持って来るやり方にも大きな問題点が見えます。それは例えば、“経営と現場の乖離”の問題、或いは“内部人材のモチベーション低下”の問題等です。
この様な問題認識の上に立って、これから「“管理職”から“経営者”へと成長するために身に付けるべきこと」について考えていきましょう。

<目次>
“管理職”を定義する。
“経営者”を定義する。
“管理職”と“経営者”の持つべき“能力”の違いについて考える。
“PDCAサイクル”と“OODAループ”を上手く連携させ、管理と経営をリンクさせる。

“管理職”を定義する。

“管理職養成講座”と称する“研修”が世間には沢山あります。その多くが“リーダーシップ研修”・“コミュニケーション研修”・“マネジメント研修”がテーマになっています。

しかしその“管理職養成講座”において、そもそも“管理職”とは何か、その役割は何なのかを定義することが少なく、受講者が“管理職”の全体像を掴まずに研修を終わってしまっているケースをよく目にします。

そこで、“管理職の定義”をすることが重要になります。

私の考える“管理職の定義”は、「正常を定義し、異常を正常に戻す人」です。

ここで言う“正常”は自分勝手な“正常”ではありません。“管理職”が担当する部門(例えば“課”)の上位部門(例えば“部”)の“方針・目標・施策”と整合した“方針・目標・施策”が管理職の担当部門の“正常”です。

その“正常”を実現する為に、管理職は、担当部門に所属するメンバー一人ひとりの行動計画を合意の下で定めます。これがメンバー一人ひとりの“正常”の定義になります。

一方、日々の業務遂行において、“異常発生(正常と異なる事象の発生)”は日常茶飯事ですから、“管理職”は、メンバーからの報告を受けて「異常を正常に戻す」又は「決定的な異常発生の場合は、正常の再定義を関係部門との調整の上で行う」ことが必要になります。

これらの仕事を総称して“方針管理”と言います。

“管理職”はこの“方針管理”の役割を全うすることが求められ、それを遂行する上で、“リーダーシップ力”・“コミュニケーション力”・“マネジメント力”が必要になるのです。

“経営者”を定義する。

“経営”とは、一般的に「企業がその目的を達成する為に組織を最大限に有効に活動させていく方法全般」と定義されます。しかしこの定義では、“経営者”とは何か、どの様な能力を身に付けるべきかの本質的な議論は中々進み難いのではないでしょうか。

“経営”とは本質的に“生産性の概念”である、即ち「経営環境変化に適応し、効率良く、最小限の“Input”で社会に求められるものを最大限に“Output”していくこと」と考えてみましょう。

しかしこの“Input”も“Output”も多様であるので、“経営”は難しいと言えます。

具体的には、“Input”として“人・もの・金・情報”(最近は“場”も重要です。)、“Output”として“売上・利益・配当・CS・ES・社会貢献”等が考えられます。“Input”も“Output”も上手くバランスを取って、様々なステークホルダーの共感・満足を得ながら、“会社の長期的な繁栄”を実現する、それこそが“経営者”の役割と言えるのではないでしょうか。

「“Input”も“Output”もバランスを取りながら“会社の長期的な繁栄を実現”する」上での“キーワード”は、単刀直入に言って“イノベーション”が重要です。

即ち、“会社の長期的な繁栄を実現”する上で、最も必要なことは“Output”の拡大で、中でも“成長(売上が右肩上がり)”が重要です。それを可能にするのが“イノベーション”です。新商品開発・新事業開発・新市場開発等は将に“イノベーション”から生まれます。

そして経営上もう一つ重要なことは“Input”のフレキシビリティです。

つまり“需要変動への柔軟な供給体制”を如何に構築できるかです。これができませんと、需要が供給を上回った時には、顧客を待たせたり、従業員に残業を強いたりすることになります。

一方供給が需要を上回った時には、従業員を解雇したり、売値を下げ業績悪化を招いたりします。この様な事態に対処する為には需要の変動に柔軟に対応する供給体制が必要です。

その良い例は“トヨタ生産方式”や“ロボット化”等が挙げられ、それらはやはり“イノベーション”によって実現します。

従って、“Input”においても“Output”においても、経営者のイノベーションを起こす力(新しい価値の創造能力)がとても大事であると言えるのではないでしょうか。

“管理職”と“経営者”の持つべき“能力”の違いについて考える。

“管理職の定義”は、「正常を定義し、異常を正常に戻す人」です。

この定義を前提にした時、“管理職の持つべき能力”はどの様な能力でしょうか?それを一言で表現すれば“方針管理遂行能力”です。ある意味では、「定義された“正常”=“見える化された目標”を達成する能力」と言えるのではないでしょうか。

一方の“経営者の定義”は、「経営環境変化に適応し、効率良く、最小限の“Input”で社会に求められるものを最大に“Output”していく人」です。

この定義を前提にした時、“経営者の持つべき能力”はどの様な能力でしょうか?それを一言で表現すれば“ビジョン策定・実現能力”換言すれば“長期的課題形成・対応能力”と言えるのではないでしょうか。

的確な環境分析能力・経営哲学や理念の下、未来の会社のあるべき姿を描く能力・描かれたビジョンを達成する為に必要な戦略・戦術を策定し遂行する能力が求められます。

これらの能力は、換言すれば「未だ見えざる未来の“正常”を的確な環境分析・経営哲学で“見える化”し、それを実現する能力」とも言えます。

この様に考えると、“管理職に求められる能力”と“経営者に求められる能力”の間に大きな結界があります。

この結界を超えて有能な“管理職”から“経営者”へ成長させる為には、“経営者”への適性の有無の正確な判断と、適性のある人材に対し、早い段階から、“経営”の定義に基づいた計画的な育成が不可欠になるのではないでしょうか。

“PDCAサイクル”と“OODAループ”を上手く連携させ、管理と経営をリンクさせる。

“管理職”が仕事を行う上で“ PDCAサイクル”は有効な道具です。一方“経営者”が仕事を行う上で“OODAループ”を上手く使うと成果に結び付くと考えてみましょう。

言うまでもなく、“PDCAサイクル”は、現状をQC的にデータ分析し、なぜなぜを繰り返し、真因を把握して改善することです。これを継続的に行なうことによって仕事の品質が良くなる・目標が達成できると考える訳です。

“PDCAサイクル”は言わば“現状を如何に改善するか”と関連性が深い手法ですから、これまで述べた“管理職”の仕事に適した手法の一つと言えます。

一方“OODAループ”は、観察・情勢への適応・意思決定・行動・ループによって健全な意思決定を実現するというものです。言わば経営戦略を的確に遂行し、競争に打ち勝ち、ビジョンを実現する手段として用いられます。

これは“あるべき姿と現状のギャップを如何に埋めるか=課題形成と対応”と関連性が深い手法ですから“経営者”の仕事に適した手法の一つと言えます。

“ PDCAサイクル”と“OODAループ”を上手く連携させ、管理と経営をリンクさせることが会社として必要となると考えます。

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